音楽

「音楽は世界共通語」と言われたりします。言語ほどに詳細な物事を伝える能力はなくとも、何かしら「楽しい感じ」「悲しい感じ」などの雰囲気を伝える力を持ちます。

現在の1オクターブ12音階が主流となる前には、国によっては特有の音階が用いられていました。日本の「ヨナ抜き音階」(ファとシがない5音階)もその一つです。この限定された音階から作られる音楽は独特の雰囲気を作り出します。

音楽は、踊りに用いられたり、睡眠やリラクゼーションにも用いられます。

音楽に言葉を乗せると「歌」になります。歌は記憶に関わる力も持っています。

宮沢賢治

宮沢賢治『イーハトーボ農学校の春』の「太陽マジックのうた」

以前こちらの記事でちょっとだけ触れたことのある、宮沢賢治作『イーハトーボ農学校の春』には、文中に楽譜が織り込まれています。 「太陽マジックのうた」とされる楽譜のメロディーを追ってみると、「通りゃんせ」や「かごめかごめ」などの童謡を思い出すような、なんとも古くて、また日本独特の音階によるちょっと陰りのある趣きを感じました。 『イーハトーボ農学校の春』がどんな内容か読んでみたところ、冬が終...
宮沢賢治

なぜ児童文学なのか10(見えないもの さまざまなウソと秘密と音楽と)

名前を言ってはいけないあのクリスマス ねぇ、『ギヴァー 記憶を注ぐ者』を読み終えたけど、主人公のジョナスが見た記憶にクリスマスのシーンがあるよね。 え、そんなシーンあったっけ? 映画ではハッキリ断定されにくい映像にしてあったのよ。小説でも “クリスマス” って文字は一度も出てこないわ。...
宮沢賢治

なぜ児童文学なのか9(言葉と想像の限界 そして口止めされた何か)

本記事は小説『ザ・ギバー 記憶を伝える者』及びその別翻訳版『ギヴァー 記憶を注ぐ者』と、その映画化作品『ザ・ギヴァー 記憶を注ぐ者』のネタバレを含みます。 本記事の前回はこちら↓ ああ、言葉ってなんて不正確なんだ!(by ジョナス) 新翻訳の『ギヴァー 記憶を注ぐ者』を手に入れて読んでるけど、面白いね! 色のネタばらしされてても、他のこともたくさん...
宮沢賢治

なぜ児童文学なのか? その6

↓前記事の続きです 「じゃ誰も進歩することに、関心を持ってないの?」 「言いたいことがよく、分からないな」 「ほかの人に差をつけて、抜き出ることだよ」 「より高い進歩度を持つことかな? それなら、精神訓練があるけどね」 「その度数のことじゃないよ」 「じゃ何なの?」 「他人より、よけいに持つことだよ」 「よけいに持つって、何を持つんだい。ペドゥリート」 「お金だよ」 (...
宮沢賢治

宮沢賢治への手紙

宮沢賢治 私は実はならずもの ごろつき さぎし、ねぢけもの、うそつき、かたりの隊長 ごまのはひの兄弟分、前科無数犯 弱むしのいくぢなし、ずるもの わるもの 偽善会々長 です。 なにが偽善といふならばこうすれぱ人がどう思ふと考へる。何がさぎしと尋ねれば、きれいな面白い浮世絵をどこかで廉く買はうと考へる。その他は説明の限にあらず。 これは宮沢賢治さんが友人に宛てた...
宮沢賢治

なぜ児童文学なのか? その5

前記事の続きです 何か新しいことを教えられる教師など どこにもいない 彼は 私たちが常に知っていた事柄を 思い出す手助けをすることしかできない 『ENIGMA 3 : LE ROI EST MORT. VIVE LE ROI ! 』より Enigma 3: Le Roi Est Mort, Vive Le Roi! posted with カエ...
芸術

物騒なダイレクトメール(本物かどうか未確認)

いろいろ忙しく他にやらなければならないことがあり、しばらくブログを書いていませんでしたが、今日はどうしても書いておきたいことがあって、記事にします。 最近、ある企業からちょっと物騒で危なっかしいダイレクトメールが届くようになりました。 平和主義を愚弄する戦争大好き人種 届いたのは平和主義を「幼稚」「討論にもならない」と言い、戦争を肯定し煽るような内容のWEB記事へ誘導するメールです。 ...
宮沢賢治

なぜ児童文学なのか? その3

前記事の続きです ミヒャエル・エンデ作『モモ』でマイスター・ホラがモモに出したなぞなぞは、この物語で「時間」がひとつのテーマになっていることに気がつけば、解くのは意外と簡単です。 ですが、このなぞなぞに触れた時、その答えが “この世界の偉大な支配者” “この世界そのもの” という考えに出会った時、なんとも言えない気持ちになりました。 モモ 時間どろぼう...
芸術

人はみな、一人ひとりが自分の想像しうる世界の中に住んでいる

人はみな、一人ひとりが自分の想像しうる世界に住んでいる エンリケ・バリオスのベストセラー『アミ 小さな宇宙人』の続編『戻ってきたアミ 小さな宇宙人』に書かれている言葉です。 「想像しうる世界」って、どういうことなんでしょうね? 私は "どんな未来を想像して暮らしているか" ということだと思っています。 "その人の思い込みの世界に生きている" とも言えると思っています。 「...
芸術

アインシュタイン も チャップリン も 音楽家

アルバート・アインシュタイン もし、わたしが物理学者にならなかったら、おそらく音楽家になっていたでしょう。わたしはよく音楽のようにものを考えます。音楽のように白昼夢を見ます。音楽用語で人生を理解します。わたしは音楽から人生のほとんどの喜びを得ています。(アルバート・アインシュタイン) 「音楽用語で人生を理解する」というのは、どんな感じなのか、ここだけはよくイメージで...
音楽

謎のメッセージ?

どこのどなたか分からないのですが、ものすごく特殊な方法で私に情報を下さった方がいます。 その情報が意味するところは、これからいろいろと調べていかないと分からないのですが、私にはとても貴重な情報に思えました。 コンタクトを取れませんので、ここにお礼を書いておきます。 さて、大正2年に発表された文部省唱歌『海』ですが、私はずっと、日本によくある松林のある海岸を想像していました。 ...
宮沢賢治

アインシュタイン と 海 と、日本に残した警告

アルバート・アインシュタイン 海は、形容しがたい壮大な姿をしています。とりわけ、日が沈む瞬間は。そんなとき、自分が自然に溶け込み、ひとつになるように感じます。そしていつも以上に、個人という存在の無意味さを感じるのです。それは幸せな気分です。 これはアインシュタインの言葉です。 文部省唱歌の『海』が発表されたのが大正2年。 それから9年後の大正...
宮沢賢治

大正政変の年に発表された『海』

松原遠く…ではじまる文部省唱歌の『海』 1913年(大正2年)の発表で、作詞作曲者は不詳。 宮沢賢治についていろいろ研究中なもので、ふと「賢治はいくつだったのだろう?」と考えたのですが… 1913年、宮沢賢治さんは17、8歳。多感なティーン・エイジャーの頃に、賢治が過ごした日本はどんな感じだったのか? 賢治は『海』を歌ったろうか? そういうのんびり気分で調べようとし...
音楽

松原遠く…で始まる『海』という唱歌、私はこの歌が好きです。 多くの場合、この曲は三拍子のリズムで歌われることが多いです。でも実はこの曲、三拍子と四拍子が同居しているんです。 私はこの曲にひっそり隠れている四拍子の方をクローズアップしてみたいと、ずいぶん前から思っていました。 リズム感ない方には「ちょっと何言ってるか分からない(©サンドイッチマン富澤)」かもしれませんが、要するに聴...
宮沢賢治

玄米4合は実は贅沢

宮沢賢治が亡くなった後の戦時下、あの『雨ニモマケズ』はいろいろ利用されちゃった節があるようなのですが… しかも、この動画の中でも述べられますが、(←ご紹介していた動画が埋め込みできなくなってしまっているようなので削除しました/ 2018/07/16)GHQの修正指示があって「玄米四合」を「玄米三合」に変更されたこともあったようです。 このことを知ったのは随分前でしたけど、その時...
宮沢賢治

美術と音楽の決定的違い2 (作ることと表現することは違うだろ)

美術と音楽の決定的違い1 のつづきです。 思えば、普通の絵描きさん方の中に、複数人が協力して一つの作品を描くというようなアーティストは、あまり思いつきませんね。(漫画家で、藤子不二雄さんは思い出します) 音楽の場合でも、作曲家というのはコンビや集団で一つの楽曲を作るケースの方が少ない気がします。 美術と音楽の作品公開のプロセスの違い 画家の場合、作品を作る行為はそれ自体が作...